イベントなどでベビーマッサージを行っていると通りすがりの方から、「ベビーマッサージって何?赤ちゃんは寝ているだけでこってないでしょう・・・」というお言葉を頂きます。
いえいえベビーマッサージはコリを取るだけだは無いのです。今一度ベビーマッサージはなぜ行うと良いのか?またどんな目的で行いその効果はどんな感じなのかをお伝えしていきます。
目的
ベビーマッサージの目的は大きく分けて4個になります。
まず1つ目は赤ちゃんの心身の発達を促し、精神を安定させる・・・成人期まで影響
2つ目は育児への自信とゆとりを持たせる
3つ目は親と子の強い絆を作る
4つ目は心豊かな人間と社会を作る
ではそれぞれについて詳しくお伝えしていきます。
①赤ちゃんの心身の発達を促し、精神を安定させる・・・成人期まで影響
この中でもいくつかありますので細かく分けてお伝えします。
・心地よいスキンシップ受けて幸福ホルモンと呼ばれるエンドルフィンが放出され満足と幸福感をもたらしてくれます。
・家族愛の安定感から、情緒が安定し自信に満ち溢れる。
・探究心が盛んになり意欲的に考え行動する。
・ベビーマッサージによりスキンシップでの要求が叶えらえている事により機嫌が良い。
・感覚を研ぎ澄まして、周囲の出来事を吸収し、生理機能を活性化させる。
*成人期への影響
親子のつながりを感じて育つと人に頼ったり、頼られたりを自然に行う事が出来、信頼関係を築くことが出来ます。
ベビーマッサージを推奨している医師は
「マッサージとは本来。思いやりのある温かな心で、愛と尊敬と信頼をもって人と関わることであり、マッサージを受け続けた子どもは大人になってもそうした態度を忘れることはない」と言われている。
またマッサージは「手のぬくもりをダイレクトに受ける」と言う事により心身ともに人への警戒心がなくなり、好意を素直に受け取りたくさんの愛情や信頼を手にする事が出来ます。
②育児への自信とゆとりを持たせる
近年の家庭事情において核家族化が進みまた幼少期からご近所さんとのお付き合いが、昔に比べると、希薄になりつつあり、初めて見た「赤ちゃん」が我が子であったと言う事も少なくない。
初めて「赤ちゃん」を見て・触れてと言う状況は、赤ちゃんの状態の見分け方やあやし方・抱き方も不慣れで、お母さんの戸惑いは赤ちゃんに伝わります。
言葉で伝えるのではなく泣く事で満たされていない要求を、伝えますが「何で泣いているのか?」がお母さんには解らず、また産後のホルモンバランスの乱れからくる産後うつや相談できる近所のママ友などが少ないために「赤ちゃんのことが解らない」「良い母親になれない」など自己嫌悪を持ってしまいます。
そんな時にベビーマッサージを行う事により、目を見て・全身を触れる事により赤ちゃんの体の感覚や表情・体調の変化を読み取ることが出来る様になってきます。
お母さんが赤ちゃんの変化にすばやく気づき、赤ちゃんの要求に答えることにより、赤ちゃんは満たされて機嫌がよくなります。良く笑うようになっていきます。
ベビーマッサージはする側のお母さんにも「癒すことで癒される」と言う感覚をもたらします。
ベビーマッサージを行う事により最高の笑顔が見られる事は癒しとなります。子育ての不安から解消され自信をもって育児にのぞむことができるでしょう。
③親と子の強い絆を作る
赤ちゃんに自信とゆとりをもって接していくと安定した精神になり、育児に喜びを感じる。
日々の感動を与えてくれる赤ちゃんとの倖せに感謝してより一層愛おしくなります。
また欲求が満たされ、親の愛を肌で感じている赤ちゃんは親を信頼し豊かな表情で親の愛に応えます。このようにエンドレスで続く愛情の連鎖は、親と子の絆をより強く固くします。
④心豊かな人間と社会を作る
ベビーマッサージは信頼感と愛情を育むためのスキルだといえます。
愛と信頼に包まれて成長していくと、どれだけ心豊かな人になる事でしょうか。
「三つ子の魂百まで」と言われる様に小さなころに経験や感じた事などそして価値観は大人になっても根底に残ります。奥深いところにある愛と信頼がある限り忘れることなく過ごしていかれると思います。
効果
次にベビーマッサージの6つの効果をお伝えします。
1つ目は赤ちゃんの脳の発達を促し、ストレスを減らし免疫システムの向上
2つ目は赤ちゃんがリラックスの感覚を覚えて、ストレスが解消される
3つ目は赤ちゃんの運動機能・内蔵機能を高める
4つ目は母と子のバーストラウマを癒す
5つ目は精神の安定と育児への自信
6つ目は身体の血液循環を良くして、リラックス効果により体調も良くなる
①赤ちゃんの脳の発達を促し、ストレスを減らし免疫システムの向上
~脳の発達~
産まれてきた時から触覚・聴覚・視覚・味覚・嗅覚は備わっています。
色々な刺激を受けることにより神経回路が完成されて行きます。
お母さんのお腹にいる時から、触れる事で物の認識をする能力の触覚が、脳の中で最初に発達する場所と言われています。
産まれてくるまでにほとんど完成されていて、新生児期から機能が活躍している。
触覚など五感で受けた情報は神経細胞によって脳に運ばれ処理されます。電気信号で伝達している神経です。その神経同士をつなぐ役割がシナプスと言います。
産まれた時には、約1000億個の神経細胞を持っていますが、まだシナプスが少ないために上手く伝達が出来ません。
神経回路の発達により産まれて間もない時には50兆しかなかったシナプスも生後三ヶ月には1000兆に増えて行きます。
また神経細胞には軸索と呼ばれる神経線維があり、軸索を保護している脂質を髄鞘と言います。髄鞘には電気信号を伝える速さを速める働きと、電気信号の漏れを防ぐ働きとがあり、この働きにより同時に物事をこなす能力などが身につきます。生まれたての赤ちゃんは髄鞘が未形成な部分が多いと言われていて、五感を刺激する事で髄鞘の形成が速まるとも言われています。
見聞きする経験の一つ一つが脳を発達させる事は良く解かりました。それと同時にベビーマッサージによる皮膚刺激は触覚へのよりよい働きかけと聴覚や視覚などへの働きかけがあります。
~ストレスを減らし免疫システムの向上~
肌への刺激は血液中のストレス・ホルモンのレベルを下げるため、免疫システムの機能を向上させます。
肌への刺激の実験として20人の未熟児を対象に1日3回各15分のマッサージを行うと体重の増加が47%受けていない子どもよりも上回った。平均入院期間も6日間ほど少なくなった。また別の実験では30人の退院後の追跡を行った。通常の退院指導のグループと毎日マッサージを行うグループとの比較を行うと4ヶ月後にマッサージを行うグループの赤ちゃんの方が神経の発達も体重増加もともに良いという結果が出たと言われている。
②赤ちゃんがリラックスの感覚を覚えて、ストレスが解消される
お腹中にいる時にお母さんのストレスの影響を受けていると言われています。
お母さんのストレス・ホルモンは胎盤を通して赤ちゃんの血液に流れて行きます。
心配事などにより長時間の緊張状態により、栄養が体内に吸収されにくくなります。
その事により産まれてきた赤ちゃんはイライラしたりすることがあるとも言われています。
また赤ちゃんにとって予測不可能であることで発生するストレスは脳の発達に必要不可欠であるとも言われています。このストレスを解消するにはリラクゼーションとのバランスを保つことが良いと言われています。
赤ちゃんにとってお母さんからの優しいベビーマッサージを行ってもらう事がストレス解消のリラクゼーションとなります。
③赤ちゃんの運動機能・内蔵機能を高める
血流が良くなり筋肉の緊張がほぐれる事によりリラックス効果が高まります。
リンパ系にも作用するので免疫効果も高まります。
全身をくまなくマッサージを行う事により消化を促し胃腸の働きを活発にすることからガスのたまりが減っていき、便の問題も解消していく。
深い呼吸を行う事により、取り込まれた酸素は血流で全身に送られて行き脳へ半分送られ、脳の成長にもよい効果をもたらしてくれます。また精神が安定しリラックスした状態になります。この深い呼吸を行いリラックスした状態は眠りが深くなりぐっすり眠ります。
昔から「寝る子は育つ」と言われているように睡眠中は成長ホルモンが放出されています。
言う間でもなく成長ホルモンの分泌により、体重と身長の増加が促進されます。
④母と子のバーストラウマを癒す
バーストラウマとは、出生時心的外傷のことで、無意識である赤ちゃんでも、出産前後の出来事によって、トラウマ(心的外傷:心の傷のこと)を受けることがあるという考え方です。生まれる前の赤ちゃんは、子宮の中でおそらく安心感に包まれていたはずですが、出産時に「窒息」「仮死」「恐怖」などを経験することで、生まれながらに精神的なストレスを受けると指摘されました。
またお母さん側のバーストラウマもあります。自分自身が望まない妊娠であったり、望んでいた出産方法でなかったりなどや産まれてすぐの我が子の状態によって、自分を責めてしまい深い傷を負ってしまっている場合に、ベビーマッサージによって子どもの体と心を近づき愛おしく思えるようになる。
⑤精神の安定と育児への自信
赤ちゃんの皮膚感覚と表情をベビーマッサージで捉える事により、子どもの成長を感じ、子どもの心身の状態を敏感に感じ取る事が出来る様になります。
また皮膚接触により、お母さんのホルモン分泌が活発になり、産後の回復や精神安定などにも役立っています。
ベビーマッサージを行う事により、日々の心身の状態を把握することから、言葉での欲求が表せない赤ちゃんであっても、その思いを感じとり余裕をもって対応できます。
⑥身体の血液循環を良くして、リラックス効果により体調も良くなる
ベビーマッサージを始める前にお母さんも少し深呼吸をしてリラックスして行う事により、そのリラックス感が赤ちゃんに伝わります。オイルを温めてのばし広げていく時に赤ちゃんだけでなくお母さんにも広がり、血液の循環が良くなります。
血液の循環が良くなると体内の毒素や老廃物が流されて代謝が良くなり、体調も良くなります。
まとめ
ベビーマッサージは赤ちゃんを癒すことはもちろんの事、癒すことで癒されているお母さんへの効果もある事はおわかりいただけたと思います。
要求の不快を泣く事でしか伝えられない赤ちゃんに、言語を伴わず満たすことが出来る様になるツールなのです。
ぜひ行ってみてください。
ベビーマッサージに関するお問合せはこちらから